村長ウツソウ日記

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2009年04月

4月28日(火)

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午後一時。
スタジオジブリのK沢さん来訪。
一緒にランチを食べましょう、と前々から約束していたのだ。
せっかくだからK沢さんの行ったことないお店へ案内しましょう、と実篤に乗って、調布飛行場の「プロペラカフェ」へ。
村長はタコライスなるものを食べた。

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いい天気だあ!
しかもさっきから続々とセスナが降りてくる。

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うわあ~、かっこいいー!
間近に眺めると小型飛行機って、こんなにかっこいいんだ……とあらためて感心。

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4月27日(月)

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明けて27日(月)
8時半起床。
朝ごはんを食べて、温泉に浸かって、
いい気持で「ウエルシティ湯河原」をチェックアウト。
保養ホームに父母を訪ねて、ひとしきりお喋り。
応接室の窓からは、青々とした春の山が眼前に。
ここで一週間過ごすのか……さぞ命の洗濯になるだろうなあ。

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午後二時すぎに父母、叔父夫妻に別れをつげて、
帰京の途につく。
ちょうど帰りがけの真鶴に「中川一政美術館」があるのを知って、立ち寄ってみる。
駐車場からいきなり絶景!

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入口脇の石碑。いい感じだ。
美術館の中に入ってみて、驚いた。
これはすばらしい美術館だ。
どうして今まで来ないでいたのか、悔しく思った。
東京から80キロ、一時間半で来られるのだから、
地の利もいい。
展示されている作品もすごく吟味されていて、
絶妙、の感あり。
一番感心したのは、100号の大作「駒ケ岳」だ。
これはもう現物を見てもらうしかない。

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美術館を後にすると、
「中川一政アトリエ復元」コッチ→
と看板があるので従って進むと、
やがて岬ひとつが広大な芝生公園になっている庭園に出た。
これがまた息をのむような絶景の連続で、
村長まいりましたッ!

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駐車場まで戻ってくると、傍らにこんな看板が。
いや~、素晴らしい場所だった。
大好きな場所がひさしぶりにひとつ増えたな。

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4月26日(日)

朝7時起床。
実篤を駆って、一路父母のもとへ。
九時、神保町で父母を乗せて、
湯河原へしゅっぱあーつ!
今日から一週間、父母は叔父夫妻と一緒に湯河原にある、
厚生年金保養ホームに滞在して、
命の洗濯をする。
特に父と叔父は、昔から仲のよい兄弟だったので、
この一週間を前々から楽しみにしていた。
送っていく役目を村長は喜んで引き受けた。
途中、パーキングエリアで休憩した時、
「あ、富士山!」
とおふくろが言った。

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湯河原に到着。
な~んかいい所だ。
叔父夫婦はちょっと前に奈良から着いて、
近くのそば屋にいるというので、迎えにいく。
湯河原の街を一枚。

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保養ホームにチェックイン。
部屋は広々としていて、すがすがしい印象。
「いいところじゃないの」
と村長が独りではしゃいでしまった。

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夕方、父が予約しておいてくれたホテル、
「ウェルシティ湯河原」にチェックイン。
フロントの女の娘三人組が、
「あのお、原田さんですよね。いつも読んでますう」
「5月7日の朗読会、行くつもりです」
なあんて嬉しいことを言ってくるので、
村長ドギマギしてしまった。
しかしこのことによって、村長の湯河原に対する好感度が、
劇的にアップしたのは間違いない。
部屋に入って、カーテンを開けてみると、
「猿が出没します云々」
と注意書きがあるのを発見。
ますます好感度アップ!

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ん~、いいところだなあ湯河原。
宗典、満足の図。

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4月24日(金)

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昼すぎ、韋駄天ことS山祥君来る。
明日の森山風歩君とのトークイベントのために、
耳に嵌める銀細工を作って持ってきてくれた。
作品名「月と地平線」。
カメラがボケてちょっと見えにくいけど、すごくいいのだ!

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村長のパソコンで先日大宇陀で会った歌手のRayちゃんのHPを見る祥君。
何しろRayちゃんは、明日のトークイベントに来てくれるというので、村長も祥君も嬉しくてたまらないのだ。

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4月23日(木)

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18日の結婚記念日に、親父が、
「お前からだと言って、カミサンに渡せ」
と言って手渡してくれた薔薇の花……おお、
今を盛りと咲いておるなあ。

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新刊展望の巻頭エッセイを頼まれた。
二枚、という短い中に色々入れなくてはならなくて、少々苦心したが、あっさりと書き上げた。

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ツタヤで借りてきた新作
仏映画の「DISCO」が実に面白かった!
村長世代の人なら、これはたまらん!といった快作。

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4月22日(水)

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曇天の水曜日。
昼すぎに役者の藤崎君が訪ねてくる。
夕方に娘さんを幼稚園へ迎えにいかなくちゃならないそうで、
あわただしく来たと思ったら、あわただしくお喋りをして、
あわただしく去っていった。
その後、村長は三鷹駅前へ出かけた。
三鷹の南口って……変わったよなあ。

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昔よく行った文房具屋に入ったら、
カラー筆ペン、一本百円なるものが置いてあったので、
一時間くらいかけて十二色選んで、買ってきた。

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4月21日(火)

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今日は一日、子供たちは妹のところへ遊びにいっていた。
夜、十一時すぎになって、ようやく帰ってくる。
二人を送ってきてくれた妹を書斎に招きいれて、
ひさしぶりに兄妹二人きりでおしゃべりをした。
楽しかった。
楽しくて、写真を撮り忘れちゃった。
さっきまで妹が座っていたイスを撮る。

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4月20日(月)

昨夜はけっこう原稿が進んで、
結局眠らなかった。
せっかくだからと思って、午前中から府中の運転免許試験場へ 免許の書き換えにいった。
自転車「進め号」にまたがって、ひいひい言いながら到着。
しかし徹夜明けで、視力が落ちていたためか、再検査されたりして、ずいぶん手間をくった。
しかも二時間の講習が始まるまで、一時間もあって、
暇を持て余した。
で、教習所の写真を一枚。
退屈な気配の漂う所内。

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二時に教習所の書き換えが終わって、
今度は小金井市役所へ。
滞納してた保険料とか税金とかを
コノヤロ!
と払う。
高いぞ市民税も保険料も!
坂口安吾が国税局と闘って
「税金は払わん!」
と言い張って、結局負けちゃった……ということを思い出し、
渋々払う。くーッ!

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4月19日(日)

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本日は晴天なり。
奈良・八ヶ岳から戻ってから、ずうっとさぼっていた掃除を実行にうつす。
実篤もよく走ってくれた……ので、ピカピカにしてやる。

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丸坊主にして十日が経った。
ちょっと真面目な顔をして自分撮りで一枚。
な~んか悟りひらいたかなー、みたいな。

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4月18日(土)

4月18日は村長と村長夫人の結婚記念日である。
よおし、今回は息子、娘を伴って、
新婚時代の町、西早稲田を訪ねようじゃないか。
というわけで、早稲田で家族と待ち合わせ、
西早稲田界隈をうろうろしてきた。

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村長夫人の後ろに写っているのが、
新婚時代を過ごした西早稲田のマンション。

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当時「早稲田モンパルナス」と呼んでいた階段で一枚。

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神田川より早稲田タワーマンションを望む。

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娘が池に落ちたことのある甘泉園。
美しい。

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早稲田鶴巻町の風景。

あああ、んもう一々なつかしいーッ!

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4月17日(金)

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午後12時半、国立劇場へ。
大谷さんが出演している「王将」を観劇。
すげーなあ、国立劇場。
芝居の方も、休憩が二回入るほど長かったけど、面白かった。
新潮社のT澤さんも来ていたので、
帰りがけに喫茶店に入って、文学談義。
先日、八ヶ岳の山荘で話した小説のアイデアのこと、
7月にスズナリで公演する壱組印「ピースの煙」のことなど、
時を忘れて語り合う。

夜は神保町の父母のもとへ泊まる。

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4月13日(月)

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自然と目覚めて、リビングへ行ってみると、
祥君、こんなありさまで沈没中。
このソファは横になると眠らずにはいられない、魔法のソファなのだ。

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午後、祥君を叩き起こして、温泉へ。
うわおう! 八ヶ岳がきれいだ!

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ほぼ貸切状態の富士パノラマ温泉へ。
たっぷりとお湯に浸かった後、300円のマッサージ機を二連続でやって、んもう極楽浄土。

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この日は夕方から深夜にかけて、
江戸指物師やピアニスト、純文学少女とその彼氏など、
一風変わった仲間が山荘に来訪す。
明日14日は、午後に新潮社のT澤さんが小淵沢まで来るので、みんなで清春白樺美術館に植えてある、
小林秀雄の桜を見に行く予定。

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4月12日(日)

昨夜は大宇陀のK田さんのお宅に泊めてもらって、
夜中までトーラ師の思い出話にふける。
K田さんも村長も、喋っている内に笑って、泣いていた。
明けて12日(日)は午後1時半から、
大宇陀の隣町、名張にて笛と朗読のセッセヨン。
読むのはもちろん「和尚の人生の場合または無理会」。
台詞はほとんど入っていたので、
ほぼ全篇アドリブで朗読した。
楽しかった。

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終えると、名張の名士某さん(トーラ師と親交が深かった人)に、花見をしていきませんかと誘われる。
二つ返事で後についてくと、三十分ほど走ったところに、ダムがあって、水辺に見事な桜が咲いている。
「へえ! いいところだなあ」
と歩いていくと、傍らに目つきの鋭い黒猫がいた。
よしよし、と撫でてやっていると、誰かが、
「や! それはトーラさんの猫やで」
と言うので驚く。トーラ師が晩年、清泉庵で飼っていた黒猫が、何故かこんなところにいたのだ。
呼ばれたとしか思えない……。

その上、もうひとつ奇跡みたいな偶然があったのだが、
そのことについてはいずれ書くつもり。
夕方、実篤に乗って、名張を後にする。

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途中のどこかのPAで、月を撮る。
まん丸だったのに、大分欠けてきたな。

深夜、十二時半。長坂インターを出て、八ヶ岳の山荘へ。
日曜日だったので、奈良から八ヶ岳まで、高速代は千円だった! 何かトクした気持。

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4月11日(土)

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さあ!
いよいよ夜桜コンサート当日だ。
橿原タウンホテルの朝食の席で、一枚自分撮り。
モロ坊主。

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大宇陀に向かう道すがらの山桜の美しさ!

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ひゃああ~、きれいだあ!

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大宇陀についてまず最初に行ったのは、
トーラ宗岳和尚の墓参り。
何だか最近墓参りばかりしているような気がする。
写真は、コンサート会場の天益寺の桜。
見事に満開だ!

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午後一時からの音合わせ、リハーサルを済ませた村長は、
祥君と二人で大宇陀「あきのの湯」へ。
中庭でカッコよく煙草を吸う祥君。

夜桜コンサートの本番は、
祥君がデジカメで撮ってくれたから、そのうち公開します。
奇跡のような一夜であった。

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4月10日(金)

日付が10日にかわって、夜中の二時半。
東村山へS山祥君を迎えにいって、
彼の運転で奈良へGO!

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実篤は満月に向かってひた走る。

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途中、おおお! 夜明けじゃないの!

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パーキングエリアには桜が咲いてるじゃないの!

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その手は桑名の焼きはまぐり。
でかい暖簾(?)だ。

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途中、亀山ジャンクションで迷いに迷ったが、
午後、ようやく奈良に到着。
街道沿いのラーメン屋の名前が可笑しい。
「ひっこしてようなった大ちゃん」
という名前のラーメン屋なのだ!

橿原の叔父ちゃんの家へまず行って、
叔父ちゃんと墓や位牌について談笑。
手作りの牛丼をごちそうになって、
夜九時に叔父宅を後にする。
「このまま大宇陀へ行って、O津君の家に泊めてもらうか?」
「いやー、キツイっすねえ」
「うむ、確かにシンドイ。どこかビジネスホテルにでも泊まることにしよう」
「合点だ」
てなわけでこの夜は橿原タウンホテルにチェックイン。
二人とも泥のように爆睡。

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4月9日(木)

今日は武者小路実篤の命日。
今夜、奈良へ出発するので、その前に車(実篤)を下連雀のマツダへ点検に出す。午前11時。
二時間ほどでできるというので、ぶらぶら歩いて、三鷹の禅林寺へ。
先日、短い文章だが、書かせてもらったので、太宰治の墓へ参ろう、と思ったのである。

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おおお、桜がまたもやきれいだ!

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禅林寺だとばかり思って、入っていくと、
ん?
これは寺じゃなくて、神社じゃないの?
鳥居あるし。

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塀の向こうを眺めやると、美しく咲いた桜の古木と、
寺らしき気配。
あっちだ!

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ようやく禅林寺の門前にいたる。

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案内の看板を見ると、
げげげ!
太宰治ばかりか、森鴎外の墓もあった!
知らなかった……。

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水を汲んで、墓前へ。
太宰治の墓には、桜の枝が手を差し伸べるようにのびていて、実に美しい。真新しい花も沢山供えられていた。

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一方こちらは、鴎外森林太郎の墓。
静かな気持で手を合わせた。

墓参を終えて、さて髪の毛を切りにいこうと、
いつもの美容師、K藤さんに電話してみると、
椎間板ヘルニアで立てなくなったとか……心配。
いずれにしても髪は切らねば、と思って、
三鷹駅前のいかにも太宰治も散髪してた感じのする床屋さんに入り、トーラ宗岳師の写真を見せて、
「明日、夜桜コンサートでこの人を演じるので、似たような髪型にしてください」
と率直に注文する。
「て言うことは一番短く切れるバリカンで丸刈りってことになりますけど、いいんですか?」
「いいんです。やってください」
そう答えたら、本当に丸刈りにされて、
あっというまにおじさん坊主の出来上がり!

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下連雀のマツダに戻ると、実篤はぴかぴかになって仕上がっていた。
マツダの人、村長の頭を見て、唖然。

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わはははは!
と何かソーカイな気分で実篤を駆り、
調布の武者小路実篤記念館へ。

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記念館の庭も、もうすっかり春!
学芸員のI藤さんに挨拶に行くと、
やはりこの頭に唖然&爆笑。

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夕方帰宅。
今日買ってきたものを撮っておく。
禅林寺近くにあった仏具屋で売っていた、
「赤いろうそくと人魚」みたいな蝋燭。

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禅林寺の社務所に売っていた、
森鴎外の遺言書。
遺言書とはかくあるべき!といった迫力に満ちた代物。

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永井荷風の筆による鴎外の詩「沙羅の木」
これも立派。

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あらためて坊主頭を自分撮り。
ん~、何でだか分からないけど、こうなってしまった。
でも多分、これでいのだ!

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4月8日(水)

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昨夜は神保町にお泊り。
長らく父親の役をつとめてくれた親父と
あいかわらず母親のままで接してくるおふくろ。
今日は親父の母、キヲの命日。
午前中に親父との間に、まるで短篇小説のような出来事があった。これはいずれ書くつもり。

午後4時、青山一丁目でF原の兄貴と会う。
九段下から東西線に乗って、大手町で千代田線に乗り換え、
乃木坂で降りて、青山方面へ歩く。
これは岩永事務所で働き始めたばかりの二十代の頃の
通勤路だった。
なつかしくて胸がキュンキュン言ってしまった。

歩いている途中でケータイの電池が切れて、
写真は撮れなかった。
F原の兄貴が案内してくれたのは、
山王病院の裏、アジア会館というホテルの隣に建つ、
しゃれたビルディングだった。
一階は厨房もついた広いスペース。
中庭もあって、使い勝手が面白そう。
アワーや寸劇を披露するには、またとない絶好の場所だ。
このスペースは、もう一年以上もがらんどうのまま放置されているのだという……何ちゅうもったいないことを!
「使わせて使わせて使わせて!」
と鼻息も荒く訴える。
「まあまあ、焦るな」
とF原の兄貴にどうどうどう、と手綱を絞られて、
一緒に乃木坂の長寿庵にて、あなご天そばを食べる村長であった。

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4月7日(火)

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今日はわが息子の大学の入学式。
大学の入学式に親がついていくなんて!と、昔は批難めいたことを言っていたのに、
気がつくとカメラを手に武道館に座っている自分がいた。
ものすごい数の新入生!
終わってから外へ出ると、んもう人の波が!

この時計台のところに立ってるから、とメールを送っても、
息子はどこかワケ分からない場所へ先導されてしまい、
なかなか会えない。

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一緒に出席したおふくろの写真を一枚。
この直後、おふくろは人波に呑まれて、どこかへ行ってしまった。完璧にはぐれた!

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武道館に入っていく時に通った門のところにいるから、そっちから来い!
息子にケータイでそう言って、もううろうろするのを止める。

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おおお! 千鳥ガ淵の桜! サイコー!
多分この春、東京で一番きれいな桜を見た!
これはおそらく小林秀雄先生のさしがねだな……。

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三十分後にようやく息子と再会し、
桜舞い散る舗道を並んで歩きながら、
「おれはようやく息子の役をおまえに譲って、
父親の役をやることになったように思うよ」
などと話しあう。
美しい時間だった。

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4月5日(日)

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朝は早起き。
昼前にお腹が空いてしまったので
ちょっと手間をかけたラーメンを作って、
さあ食うぞ、どっこいしょと座ったら、
目の前のテレビが急に、
「北朝鮮が飛翔物体を発射しました!」
と緊急速報を告げた。
唖然。
NHKのいつも冷静な登坂アナウンサーが、我を失って、
あわあわわ……と伝える。
「11時37分に発射されました!」
「飛翔物体は今、日本上空を飛んでいます」
「二分ほど前に日本上空を通過しました」
「今、ロケットの先端部分が太平洋上空を通過中」
「飛翔物は三分前に太平洋に着水しました」
手に汗を握る二十分間であった。
この後、ラーメンを食いそこねた村長は、
はらだしき村の掲示板に
「何さらすんじゃおどれは!」
と書き込みをした。

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庭の犬たちも怯えている様子。

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でもないか。
こいつら幸せだなあ、ほんと。

腹立ちがおさまらないので、
原稿用紙に向かい、抗議の気持をこめて、
こんなの考えてみた。
「テポ丼」

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4月3日(金)

夕方四時半。
神楽坂の新潮社にT澤さんを訪ねる。
初めて、新潮社資料室へ入って、
昭和21年の4月号の「新潮」を出してきてもらって、
坂口安吾「堕落論」を声に出して読んでみる。
何つーか、ものすごい手ごたえがあった。
小一時間ほどで読み終えたが、
T澤さんも資料室の女性たちも、耳をダンボにして、
聞き入ってくれた。
新潮社の資料室には、何だか文豪たちの放つ妖気のようなものが漂っていた。
入って直後は、背筋がぞくぞくした。
実に貴重な体験。
夕飯はT澤さんと、新潮社近くの洋食屋で
はまぐり鍋をつつきながら文学談義。
その後、神保町の両親のもとへ。
あ、写真撮るの忘れた!
で、仕方なく神保町界隈の夜景を撮る。

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4月2日(木)

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昼すぎ起床。
いい天気だあ!
よし、犬散歩だ!
おおお、桜が!
桜が!
桜があ!

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夜、河出から頼まれていた「太宰治について」の原稿、
五枚、書き上げる。
けっこう面白い。
この中で坂口安吾「不良少年とキリスト」のイチ部分を
書き写したのだが、安吾の男っぽい文体、
前へ前へと書いていく筆さばきなどが
手から伝わってきた。
勉強になった。

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4月1日(水)

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エイプリルフールだったのに、ひとつも嘘をつかなかった。
いつもついてるから、つい忘れた。
深夜、仕事の手を休めて、月を見る。
上弦の月ってやつか。

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