原田宗典 作品リスト

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優しくって少し ばか


【単行本】集英社 1986/09 ISBN 9784087725758


【文庫本】集英社 1990/01 ISBN 9784087495361

自作を語る

表題作の「優しくって少しばか」は、新しい文体を試みた作品です。点を省いて不思議なところで改行し、マルを打つ。これによって読む時の日本語の不思議なリズムを出せればいいなぁと思ったわけです。風邪をひいて寝ている彼女と僕とがベッドの中にいて動きがまったくないという、グダグダした感じを出せれば……と、このような文体を使用してみたのです。

また、この小説集の中には表題作の他にすばる文学賞で佳作を取って結局本には納めなかった「お前と暮らせない」という受賞作の一部が載っています。よく「すばる文学賞の受賞作はどこに載っていますか?」という質問を受けますが、「海へ行こう、と男は」「ポール・ニザンを残して」「テーブルの上の過去」の3本がそれです。

 

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感想文

最高でした。まず題名でやられたのを覚えています。こんなパン屋があったらいいなと思い、近所散歩をするときはついパン屋に目がいきます。気だるい話と背中のぞわぞわする話、ため息と絶句を交互に読みました。
原田氏の全部の小説を読んでいるのですが、恥ずかしながら私の頭の中で題名と収録作品の結び目が解けてしまっているので、また改めて書き込みさせていただきます。

投稿者 べん : 2006年10月17日 17:23

 

それぞれの物語の終わり方がとても好きです。
文章上そこで物語が終わったとしても、登場人物たちはその後も変わらず生きていて、
私が想像しえない展開になっているのかもしれない、
そう思うとわくわくしてしまう。
それでも自分なりにその後の展開を想像するのが、またたまらなく楽しくもある。
一気に読んでしまいたいと思える数少ない本。面白かったです。

投稿者 ミナ : 2006年11月14日 00:09

 

初めて読んだ小説が『優しくって少し ばか』でした。
中学の時の担任が『17歳だった』を授業で紹介したことがきっかけで、原田さんのエッセイにハマりました。が、まだその時は子供だったせいか、小説にまで手を出そうとは思いませんでした。
高校2年の冬、なんとなく『小説の方も読んでみよう』と思い図書館から『優しくって少し ばか』を借りて読んだ所、
『原田宗典…天才だった…』と思い、それから立て続けに小説の方を中心に買いあさりました。
自分的にはやはり表題作の『優しくって少し ばか』が1番好きです。他では見ない独特な文が、原田さんも言っている通り、グダグダした感じを見事に表現していると思います。原田宗典さん大好きです(笑)。

投稿者 ブランチin北海道 : 2007年02月19日 22:58

 

私は「最近、鬼子母神辺りにできた99円ショップの店名」についてインターネットで調べていました。結局その店名は解らず仕舞いだったのですが、鬼子母神とは雑司ヶ谷辺りの事を指すんだ、という事だけは知る事ができました。
そしてその翌日、本書を購入し、目次を見ると「雑司ヶ谷へ」とあるではありませんか。
些細な偶然、いや、偶然と呼ぶにも相応しくない事なのかも知れませんが、私には「この本を買うことは以前から決まってたことなんじゃないか」などと誇大した考えをもってしまいました。また「雑司ヶ谷へ」という物語についても、私にとってすごく考えさせられるものがありました。すごく、深く。

「優しくて少し ばか」の独特な文体は、風邪っぴきである「僕」の語調を意識して書かれたものなんだな、とすぐに解り、「ほほう」と感嘆のため息が漏れました。すごく斬新で驚かされました。恐らく私の他にも「ほほうな人」がいるはずです。

投稿者 うなりいちどう : 2007年05月05日 11:24

 

原田宗典というシュールな作家に出合ったのはまさにこの1冊でした。1990年文庫本で購入。タイトルがすごく気に入ったのと内容の陰艶な感じが新鮮だったのです。そんな作家がエッセーではまさしくジキルとハイド的な変貌を見せ、少々困惑したのも事実。また、作家を通じて、知った芝居が今は私の一番の趣味になり、大きな刺激を与えてくれます。もう17年。23歳だった私は40歳です。

投稿者 いそべっち : 2007年05月21日 23:52

 

中学生の頃、友達に借りて読んだ「十七歳だった!」が初めて読んだ原田さんの作品でした。二十歳になった今、本屋で題名に惚れて「優しくって少し ばか」を買いました。一目惚れです(笑) なんなんだ、この読みにくい文体は!と最初意味がわからなかったのですが、だんだん物語のぐだぐだ感が伝わってきて、やられたって思いました(笑)
あのぐだぐだ感は生まれて初めて出会った雰囲気で、文章でここまでぐだぐだ感を表現できるものか、と感心してしまいました。 ぐだぐだの中に漂う、ほのかな幸福感みたいなのが、たまりませんでした。

投稿者 松 : 2007年08月14日 22:38

 

表題作である「優しくって少し ばか」と「ポール・ニザンを残して」の短編に男と女のだらりとした倦怠感を伴う関係を感じました。けれどもその関係やそれぞれの登場人物たちにはただの倦怠だけでなく、日常生活を営む上での正直な感覚があります。また、それらを厭わしく思いながらも、それ自体やあるいは別のことにささやかな幸福を感じることのできる余裕に満ちていました。

良いなあ・・。この一言に尽きます。本当は色々感じるんだけれど、文章に認めることが出来ないんです(笑)
こんな関係、こんな人たち。そういうことを想像することがとても心地よかったです。

投稿者 たーべ : 2007年09月11日 23:27

 

最初は、エッセイにはまり、エッセイばかり読んでいました。10冊を越えた頃から、
原田氏の魅力にとりつかれ、人柄にひかれ、「どんな小説を書くのかしら」という好奇心から、
「優しくって少し ばか」を読んでみました。初期の作品からと思っていましたので。
この小説は、私小説かなぁと思わせるような感じで、エッセイに使われている文章もみられ、嬉しかったです。
作品の中に使われていた、平凡なシヤワセ・・・心を陽だまりの猫みたい・・・そのものでした。
20代の原田氏は、かなりもてたと(今でも)思われますので、
その中の彼女の一人に、こんな女性がいたのかしら?と思いました。
他の4編は、エッセイとは、全く違う原田宗典に触れた気がしました。
余談ですが、エッセイに載っていた、ややおじさんになった30代の写真を、見慣れていましたので、
この本に載っていた、20代のニヒルでクールな憂いを帯びた写真を見て、あまりにも素敵なので、びっくりしました。
尾崎豊かジェームスディーンか、とても30代の前半までは,生きられないって感じでした。

投稿者 hiropi : 2008年02月01日 21:48

 

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