原田宗典 作品リスト

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河童


【単行本】角川書店 2003/04 ISBN 978-4-04-873464-4

原作:芥川龍之介
戯作:原田宗典
画:荒井良二

自作を語る

芥川龍之介原作、原田宗典戯作です。荒井良二さんが画をつけてくださり、角川書店から絵本の形で出されました。

はじめにこの話を持ってきたのは、「鴨南カンパニ」のT田くんという、若い男の子です。この『河童』とか、カフカの『変身』とか、昔は読まれた名作、だけど今はあんまり読まれなくなっているものを、絵本の形にして今の世代に伝えたいッ、と彼が言うので、「その心意気や、よし」ということで引き受けました。その時には、出版社がどこになるのかも、何もかも、決まっていませんでした。だから僕から出版社を紹介したような次第です。

最初は僕の方から、「面白そうだね、じゃ、やろうよ」ということで引き受けたんですが、実際にはなかなか腰を上げないでいました。僕の他にも2人ほど手を挙げているらしく、フローベルの『ボヴァリー夫人』などもやるそうですが、他の人たちの方が先に原稿が上がって、僕がいちばん遅れちゃいました。僕の原稿が予定通りに上がっていれば、去年(2002年)の11月ころに出ていたはずの本でした。だけど、遅れただけのことはある、というくらいの本の出来ばえだと思います。

中身の『河童』ですが、最初は芥川龍之介作、ということでビビってたんですけれども、ちゃんと相対して読み返してみたら、意外とイジリがいがあるな、と思える作品でした。芥川が亡くなる3ヵ月前に書かれたものなんですが、芥川にしては、張りっぱなしの伏線があったり、「あれ? これ、使わなきゃおかしいのに、使ってないぞ?」といったようなことがあったりと、巨匠芥川も人間だったんだな、ということを感じました。

芯になる部分は大直しをしたんですけれども、頭から読んでいくと、芥川の文体ではじまり、途中少しずつ僕の文体になっていって、最後また芥川の文体に戻る、といったような書き方をしています。多分どこからどこまでを僕が創ったのか? ということは、わからないと思います。

ちなみに色校が上がってきた時に、中学生3年生になる娘に、「これ、どう思う?」と言って読ませたんですが、自分の部屋に持ち帰り30分くらいしたらば、そんな顔今までしたことないよ、という顔で僕の部屋に飛び込んできて、「すごいッ。お父さん、これ、ちょー面白いよ。ちょー面白いよ。ちょー!」と、「ちょー」を3回も言ってくれました。現役の中学生がこう言ってくれるんだから、大丈夫だろうと、僕は安心しています。みなさんもぜひ、この出来ばえをお楽しみください。

 

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